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2006/01/28
選挙のありかた
執筆者: yuni (11:42 pm)
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選挙戦が終わりあとは投票を待つのみという微妙な時期 結果が出る前に過去の村の選挙と比較を含めて、今度の選挙について書いておきます。 初めての市会議員選挙は、いままでのムラの選挙とは大違いでした。 いままでの村会議員の選挙は、まず基本が地区推薦でした。 中央地区の例で言えば、地区を構成する集落の回り持ちで議員を出すという慣習があって、多少の調整を経て「地区住民全員一致」で候補者が決まるというしかけがありました。 公選ハガキには原則として地区住民全員の名前が印刷されたることになります。(もちろん事情があれば名前を載せないということも可能ではありました) 告示日の朝には全員が集合して出発式、その後は役割を分担しながら、ポスター貼り、運転、炊き出しなど、交代で選挙事務所(=候補者の家)に詰めるのです。 無投票ならばこれが一日だけで終わりますが、選挙になった場合はこれが5日間続きます。選挙はある意味ではお祭りのようなものでした。 もちろん全ての地区でこのように穏かに事が進むとは限らす、ときには地区候補を絞りきれないということもありましたし。また、こうしたスタイルをとらず、全村的な運動によって当選をめざす候補もいました。6地区で10人という定数は微妙なバランスで、2名出す地区と1名の地区に加えて地区推薦でない候補が1〜2名ほど出ての選挙選というパターンが多かったと思います。 地区住民の満票でなんとか当選ラインというけっこうギリギリ状態なので、地区住民を全員運動員にするという方式での組織固めが重要でした。これは住民側からすれば締め付けともとれるものでしたが、各派からの切り崩しの電話勧誘なども盛んでした。一家の票は家長の権限で決まると考えられていて、親戚関係などのしがらみがある場合には「うちは夫婦で票を分ける」なんてことをして工夫したわけです。またこうした地区の縛りとは独立した候補がひとりだけいるというのが、八坂の選挙の特色で、民主的選挙の常識をふまえた新住民や若いお嫁さんたちなどの支持を得ていました。 さて、今回の選挙です。 従来の方式に従えば、まずは八坂地区全域にわたって地区組織によって推薦される候補が出ることになります。 今回どのようにして候補者が選ばれたのか詳細は明らかではありませんが、八坂の住民にとっては自明の結果としてそれなりに納得できる候補者の顔ぶれになりました。 一方の陣営は地区選出型の選挙に近い発想でしたが、地区住民すべてを一同に集めることなど不可能なので、選対側から各地区に声をかけて運動員を拾い出すかたちとなり、従前のような全員参加型の組織にはならず、地区推薦というかたちをとることにはなりませんでした。 もう一方の候補はもともと地区推薦型でない候補ですから、政策を中心にすえた正攻法で選挙戦に臨みました。こうして、ただ「お願いします」では済まないことになりました。 村議選では無かったことのひとつとして、選挙公報があります。こんなこと八坂としてははじめてなのでした。そのため全ての候補者がいわゆる公約のかたちで政策を表に出すことになりました。だれにも政策の違いが見える、しかも運動員でない一般選挙民の方が多いという状態、結果として選挙戦には熱が入り、今日の「最後のお願い」にもかつてないほど力が入りました。 今回の選挙は、大町市議会の任期中の合併で、合併後の定数特例に基づいた増員選挙という事情で、八坂・美麻地区に定数1の選挙区を設けての選挙となったわけです。 来年には本来の改選による市議選があります。次の選挙は大町市全体での選挙になるのか、それとも引き続き八坂・美麻だけは別選挙区になるのか未定です。 私は次の選挙は選挙区を撤廃し、全市的なかたちで行われるのが望ましいと考えています。大町市の市議選でも実は地区代表型の候補の方が多数を占めている現状ではありますが、選挙になれば大町地区の候補者も八坂まで選挙カーを乗り入れることになるでしょうし、また八坂から複数の候補が出て全市的な選挙運動を展開できます。また様々な繋がりによって八坂系の市議が複数誕生するするという可能性もあるでしょう。 選挙区選挙では地区代表議員は1名。市議会全体では24分の1の力しかありません。このような状態で地域の要望を議会に出しても、単に地域エゴとして一蹴されてしまいかねません。全市統一選挙にすることで全ての議員が多少なりとも八坂や美麻のことを視野に入れる可能性が広まるわけで、大町市全体の視点から見たときには八坂地区のことも無視できない課題となるはずです。(仮無視されればそれはまた別のかたちでわかりやすくなります) |
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