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2005/08/02
地域自治組織説明会
執筆者: yuni (2:04 am)
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7月29日、各種団体むけの地域自治組織説明会の最終日として、交通安全協会の役員への説明会があり、私も集落役員ということで、案内が来たので参加してみた。 八坂村としては、地域自治組織をどのようにするかということについて、庁内だけで検討し、結果を、村内の各種団体の代表者に説明したうえで、今後は地区ごとに住民説明会をするという段取りのようだ。 説明会であって懇談会ではない。つまり決定事項の伝達で、その場で意見を聴くことはするが、基本的に内容を変えるつもりはないらしい。 で、その内容とは、 簡単に言えば、現状の、自治会、公民館、道路愛護会、交通安全協会、育成会、防犯協会、など諸々の団体を、旧学区(公民館の分館)単位に設立する「地域振興会」に統合するということだ。 従来の各種団体は、各地域振興会内の部会という形で再編する。 そして、6つの地区の地域振興会から各2名の代表者が出て、地域振興会議を構成する。 さらに、消防団や商工会など現在の活動を継続する団体の代表が、団体調整会議というのを構成する。 この二つの会議のメンバープラス若干の公募委員が、市長の委嘱する地域づくり委員会の委員になるということらしい。 地域づくり委員会は実質的には八坂公民館と一体のものとなり、委員長は、公民館長を兼ねる。 この地域づくり委員会こそが、実質的に合併後の八坂地区の代表として、新市の本部組織との対応にあたり、さらに市長に対しても直接の働きかけをするという。 地方自治法に定められた、地域審議会とは違う、市独自の条例によるものなので公的性格は曖昧だ。 役場の説明では、地域自治組織(特に末端における地域振興会)は、 ・行政の公的業務の補完機能として文書配布や選挙事務など「自治」活動を行う機能と、 ・産業や文化の振興など自主的活動(地域づくり)の担い手とななる機能 を併せ持つものと考えているそうだ。 背景説明としては、過疎化高齢化にともない、現状のような数多くの団体を維持することは困難になるので、組織を一本化して、少ない人数で多くの役割を担っようにすることで、現状の八坂村の「自治」組織をできるかぎり維持していこうということがあるという。 設立準備段階(つまり合併前)に総額1200万円の助成金を用意しているということで。 さらに、役場の全職員を出身地域ごとに6つの振興会に配置し、組織の設立を支援することになるという。 これらの仕組みは、概ね広島県の安芸高田市に合併した旧高宮町でのとりくみを参考にして組み立てたものだそうだ。 「ぜひとも、地域が一丸となって「自治」活動を行うようにお願いします。」 というのが、総務課長の締めの言葉だった。 合併問題のときのような住民参加による地域自治組織の検討をしなかった理由については、一切触れられなかった。(どうやら村長が断固拒否したということらしい) 広島県の高宮町では20年越しの地域活動の末に、合併にむけてこのような組織再編を行ったということだが、八坂村の場合は、これから半年でこれを組み立てるのである。 八坂にはすでに自治活動は充分あるので、あえて議論して、何か新しいものをつくるような必要はなく、ただ組織の組み替えでいいのだという論理もあるという。 八坂住民全体の気持ちなど、私にはわからないけれど、少なくとも私の知っている多くの住民、特に合併問題検討委員会などでそれなりに活動していた人たちは、正直言って、今気持ちが冷め切っている。 「八坂村役場相手に、何か言っても意味が無いし、どうせ役場が勝手に決めるだけだろう。」そして、そのとおりになったわけだ。 自治活動は、住民自らが自発的に行う部分と行政組織の補完機能の両面を持つというのは、あくまで役場側からの発想だが、 実際面では、自主活動はともかく、行政補完機能だけはやってもらわないと困るわけで「お願いします」ということになるのだろう。誰もお願いされて自主活動をする者はないだろうから。 八坂の住民でどれだけの人が、合併後の八坂地区を守るために自治組織をつくって頑張らなければならないと考えているのだろうか。 住民が地域をまもる自治活動には、まず自らの地域を自らが創り上げるという意識がなければならないと思うし、そのために何が必要なのかという、具体的な課題がなければならない。組織が先にあっても、内容がともなわなければ、空回りである。 実際に、八坂村に依存して生きる住民は、とても少ないという現状を、圧倒的に八坂村に依存して生きている、役場職員は気が付いているのだろうか。 一方で、八坂の住民ではないけれど、八坂を自らの拠り所として生きている、大町市民や松川村民、東京都民さえもいることも忘れていないだろうか。 私の立場は、いまや明快だ。 私は、私の家族と隣近所と、この村で出会った、これから出会う全ての人とかかわりながら、この「むら」での生活を続けていきたい。 だから、役場の提案する組織も「あっても良い」と思うし、それなりに協力する気持ちはあるけれども、それよりも、自らの生活をこの「むら」でいかに築いていくかということに、一番関心がある。 たぶん、ほとんどの人は、どの地域に暮らしていようと、だいたいにおいて、自分の生活に一番関心があるものではないだろうか。その生活を成り立たせる要素の一つが「地域」であるし、それがとても重要だということはわかっていた方が良い。誰もひとりでは生きていけないのだから。 でも「地域活動を盛り上げてください」と頼まれてできることと、本当に自分たちがやりたいと思ってやることは違ってくるはずだ。 全員参加の地域活動などというのは「結果」としてはあり得るかもしれないが、最初から「お願い」されても困る。 |
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